2020年12月25日金曜日

椅子の元型

子供が我々の膝に座る。
一年半を過ぎたあたりからだろうか。
突然座るようになる。

日本人の座法というと胡坐か正座か蹲踞という感じがする。
確かに、教えてもいないのに、私を真似てちょこんと正座もしていて、初めて見たときは感動した。
でも、もっとも子供が馴染む座り方は親の膝に座る型。
親の側は胡坐がよい。
自分が胡坐を組みたいというよりは、子供がそれを要求している。

子供は胡坐の上に、胡坐、というよりは、ふわっと足を弛めて座っている。
やはり椅子に座る時の形がこの型に一番近い。

しかし、親に存在のすべてを預けるようなこの座法は、椅子でもソファーでも大人の座り方としてはまず観ることがない。

ふわっと身体を預けて、後ろに何かを要求する。
大の大人がこの座り方をしていたら、周囲は不快に感じるだろう。

椅子の厳しさとソファーの優しさが、親が子に与える感覚のふり幅で、この全幅を親の膝により、子の身体に伝えるのだろう。

この身体感覚を造形するのが、職人の職能であり、その職能に出会うのが、人生の醍醐味だ。
職人に人生がなければ、この種の作品は創れない。
この触感の造形をアートとはいいたくない。
芸による術といいたい。