個人的なメモ。
今読むとハウツー的な本である。
深いところと浅いところとが同居している。
野口先生が当時高校生のご子息のために書き記したということなので、それはそうなのだろう。
本当に個人的な感想になるのだが、整体の玄人はこういった「ここがおかしい時は、ここを押さえればよい」というような見方を排斥する。
野口整体の本質はそういうものではない、ということで。
しかし、世間が求めるもの、許容できるものはこういったハウツーもので、だからこの本は割と重要かもしれない。
とはいえ、現在の法律に照らすと医業類似行為にあたる可能性のある記述もあり、そのため再刊も難しいのだろうか。
出版された当時の常識と、現在の常識。
指導者が病人に求めるものと、病人が指導者に求めるもの。
それぞれはまったく違うもので、その溝は簡単には埋まらないだろう。むしろ時代を経るごとにその溝はますます深まっているように観える。
そういったことの原因の全てがテクノロジーの進化だけによるとは私は思わない。
他にも明白な原因があるが、それは誰にとっても描出するのが難しいものだろう。