2019年12月19日木曜日

ナンバ歩きではない

最初は、ずり這い、それから所謂ハイハイへ至る。
この過程を観察していたけど、はじめのうちは上体と下体の連携がとれていない。
バラバラに動いている。
しばらくすると、少しづつ腰椎3番を中心にして連携がとれて来た。この時、やはり、右手を前に出せば、左足が前に出る。トカゲのような動きになる。腹をつけてズリズリ這っていく。

四つ足で歩くなら腰椎3番を捩じって上体と下体の動きを逆にした方が合理的だろう。実際にすべての四足の哺乳動物はそう歩いている。走る時は違った足捌きになるが。

問題は二足歩行になった時にどう歩くかなのですが、ナンバ歩きという動きが古来の日本にはあったとされている。右手と右足、左手と左足を同時に出すという動きですが、これが本当なら、どうしてこんな動きになるんだろうか。
もしそうであるなら、着物と立ち居振る舞いの型以外に二足歩行において動作が変転する理由はない。
他の民族でこの動きするという話は聞かない。
ゴリラが走るとナンバ的な動きになるらしいが。

熊が立姿で歩く動画が幾つかあるが、足だけで歩いていて、上体は使っていないように観える。しかし、何故に熊は二足歩行をたまにするのか。
遠くを観るためか。
もっともらしいが嘘だと思う。
真の理由は、たんに立ちたいからだ、と思う。猿も二足歩行をするが、それはおそらく両手が自由になるからだろう。
猿は小賢しく何かを考えているが、熊は何も考えて無いように観える。
因みに、チンパンジーとも日本猿とも、現在の人間は遺伝上の直接的つながりはない。人間は彼らから分岐して、今の人間へと至ったわけではない。
チンパンジーを観察しても人間のことはわからない。彼らと人間とは無関係だと観るべきだ。
人間を観察しないと人間のことはわからない。

かつての日本人がナンバ歩きなるものをほんとうにしていたならば、なんとなくそうしたいからそうした、のだろう。
この歩き方は効率が悪いかもしれない。
スポーツ選手が効率よく走ろうとしてこの動きを取り入れるという話を聞くが、申し訳ないが、私には発想が醜く感じる。
ご先祖様に忠義を尽くすために、この歩き方を考究する、ということでいいのではないですかね。