2019年10月9日水曜日

バルトーク

スマートスピーカーに、なんとなく「バルトークの曲かけて」と言った。
かかった曲が気持ち悪くて聴けなかった。
昔はバルトークが好きだった。
私は現代音楽一般、不協和音が好きだった。
子供には「ミクロコスモス」を聴かせるつもりでいた。
ここ最近、不協和音が余り聴けなくなった。気持ちが悪い。
自分で自分に驚いた。

野口晴哉先生が調和の感覚を教えるためにお腹のなかの胎児に音楽を聴かせるという話があるが(きっとバッハとかであったのだろうと思うが)、それを昔の私は保守的だと思っていた。
調和の感覚、なんて嘘くさいと思っていた。
野口先生は19世紀の人だ、と思っていた。
自分は21世紀に生きている、と。

かつてのより、現代の不調和を調和とみなす感覚の方が進歩していると思っていた。
だかしかし、今ではやはり調和という感覚は太古より不動で普遍に偏在している、と認識を改めた。
それは、古びることなく、いつまでも、ながらく、ずっと存在し続けている。

たんに、調和、が正解で、不調和、は間違い。
音響に於ける狭義のハーモニーの話ではない。

野口先生は、時代の制約ではなくて、最初から身体感覚で本当の調和を実際に知っていた、ということなのだと思う。

四十を過ぎてやっと、自分が自分以外の存在と共鳴して別の存在に変容する、という感覚に合焦することができた、と感じる。
目でなく、耳と、皮膚と、皮膚としての目、が変わったのでしょう。
赤ちゃんには強烈なるカリスマ性があります。
赤ちゃんが基音になり、そのうえにすべてが積みあがっていきます。