赤ちゃん、一週間までは天然のお乳のような匂ひがした。
なんともいえないよい香りだった。
まだ、ミルクもお乳も与えてないのに、そんな匂ひがした。
毎日匂ひをかいでいた。
丁度、一週間で消えた。
そこからは無臭。
四週目くらいから、頭がおっさんのような匂いになってきた。
もうちゃんと洗わないと臭い。
人間て悲しいね。
どんどん汚れていく運命なんだろうね。
産れてから初めて、息子の腹に手を当てた時、炊き立てのご飯を連想した。
何も穢れがなかった。
その後すぐに、妻の腹に手を当てると、あまりにも多層に意や情や知といったようなものが積みあがっていて、何もわからなかった。どこまでも果てがない。底がない、という印象。
産れたての赤ちゃんと対比すると、大人になるということの意味がよくわかる。