2019年2月8日金曜日

9ヶ月目

9ヶ月に入って、ここでさらにぐっとお腹が大きくなった。
今までお腹の子はずっと左側にいたのだけど、立ち上がろうと四つん這いになった時、ゴロッと動いて、右側に移動した。
理由はわからない。
左側の居心地が悪かったのだろうか。今現在1600グラム程で、ここから2ヶ月で体重がだいたい倍になるという。
単純に狭いのだろう。
良い子なので、頭はずっと下にしてくれている。
2、3日したらまた左に戻った。

妻はふざけて「第5形態」などと言っている。ここまで、お腹の子には5回位の大きな変動があった。

昨日操法した。
が、愉氣以外あまりやることが無い。

妊娠前から妻の背骨はよく観ている。
妊娠すると、全然変わってしまう。
明らかに妊婦の背骨になる。個人の特性は比較的に消えていく。個性が消える。
というか、問題のない背骨は、妊娠という状態にすぐに適応するが、問題のあった背骨は適応し難い。

身体に弾力があれば、妊娠中は個性が消えて、普遍的な妊婦の背中になるということ。
元型の身体。
お腹の子も産まれた瞬間はそうなのだろう。
個性などなく、普遍的に赤ちゃん。
ここにふたつの元型の身体があるわけだが、父親だけはそこから疎外されているのだろうか?
そうでもないと思うが、母子と父の間に一定の距離があるのは確かだろうし、そうあるべきだろう。

出産時に、元型の身体が顕現するなら、そこに時間の進行は無いわけで、新たな生命の誕生が神話の時間に浸されるなら、外敵から母子の身を守るのは父しかいないわけで、当然のこととして、父はその神話の時間の外に立っているだろう。

占星術では、出生時間が重視されるが、それは神話の時間が線形の時間に交差する交点で、その観えない神話を観ようとする術によって、運命、が幻視され、そして誕生時からの未だ不確定な線形の時間の軌跡が時制を超越し意識に刻印される。
その刻印は、計測と計算式によって算出された星星の軌道に投影される。
無意識を意識によって無意識に投影するのだから、無意識が意識に貫入する唯一の瞬間であって、その時の一瞬だけ、この世の秘密、のようなもの、が開示されるのだから、特別、以上のもので、いうなれば、普遍的な秘密、を得る唯一の方法だろう。
かんたんに言い換えると、子供を生み育てることは普遍的なことだから、その伝統は破壊しない方が良いですよ、ということ。

昔の日本人女性は、一人で山の上の小屋に行って、一人で生んで帰ってきたという。
昔は山の時間と里の時間は違ったのだろう。
今はすべてなにもかも一緒に均質だから、父親が空間と言説を区切って誕生の時間を人工的に造形するべきだろう。
それが、一番安全な出産法だと思う。

以上は私の個人的な見解だ。
普遍性は無いと思う。